業務でユーザープロファイルの運用について整理することになったので、
改めてユーザープロファイルの管理方法、格納されている場所や情報についてまとめてみた。
ユーザープロファイルとは
ユーザープロファイルとは、ユーザー個人の情報を格納したもので、例としては
デスクトップの壁紙の設定やキーボードの設定などがある。
ユーザーが一番最初に端末にサインインするタイミングで作成され、その後は同じものを使用する。
プロファイルはユーザーごとに作成される。
例えると個人用のロッカーのようなもの。
ユーザーごとに1つロッカーが用意されて、その中に書類(データ)を閉まったり
ロッカーの中をアレンジ(個人用設定)するようなイメージ
プロファイルの種類
ユーザープロファイルの種類は、以下の4つがある。
- ローカルユーザープロファイル
- 移動ユーザープロファイル
- 必須ユーザープロファイル
- 一時ユーザープロファイル
ローカルユーザープロファイル
プロファイルをPC本体に保存するもの。PC本体には複数のプロファイルを作成することができる。
家庭用で利用する場合は基本的にこの方式。
メリット
PC内部にプロファイルを保存しているのでログオンが早い
デメリット
- 別のPCに同じプロファイルでログオンできない
- 管理が複雑になる(一元管理ができない)
管理が複雑になるというのは、PCごとにプロファイルを作成しているので、
一人のユーザーが複数のPCに入った場合、入ったPCの数だけプロファイルが作成される。
そのため、PC1で行った作業結果をPC2に反映させることができず、プロファイルに差分が生まれる。
移動ユーザープロファイル
ファイルサーバー上にプロファイルを格納して、ユーザーがログオンしたらファイルサーバーから
ネットワーク経由でプロファイルを取得する。
ログオフしたときは差分を書き戻すのではなく、破棄する。
これにより、常に同じプロファイルを使うことができる。
メリット
- 管理がやりやすい
- 常に同じプロファイルを使用できる
デメリット
- ネットワークの調子によってはログオンに時間がかかる
仮想デスクトップ環境では、この移動ユーザープロファイル方式はよく使われている。
移動ユーザープロファイルのログイン遅延を解消する方法として、
フォルダリダイレクトという仕組みがある。
これは、「ドキュメント」や「ダウンロード」など特定のフォルダをローカルにコピーせず、
データをファイルサーバーに直接書き込みを行っている。
これにより、ログオン時に取得するプロファイルの容量を減らしてログオン時間を短縮できる。
仮想デスクトップ環境でのプロファイル管理方式は別でまとめている。
必須ユーザープロファイル
管理者があらかじめ設定した内容で固定されたユーザープロファイル。
ユーザーがどんなに設定を変更しても、ログオフすると元の状態に戻る。
用途としては、学校の教育用PCや企業の共有PCなどで使われている。
メリット
- ユーザーが設定を自由に変更できないのでセキュリティが強化される
- 設定が固定のためシステムの安定性を保つことができる
デメリット
- 設定変更に手間がかかる
似たようなものとして固定ユーザープロファイル方式があるが、違いとしては、
必須ユーザープロファイルのほうが制限が大きい。
一時ユーザープロファイル
プロファイルの破損やレジストリの破損などのトラブルが発生したときに一時的に作成されるもの。
ユーザーが意図的に作成することはできない。
ユーザープロファイルに格納されるもの
ユーザープロファイルは、デフォルトでは「C:\Users\%USERNAME%」に格納されている。
格納されている情報としては以下がある。
格納されるもの
- デスクトップ設定: 壁紙、アイコンの配置、画面の解像度など、デスクトップの見た目に関する設定
- スタートメニュー: 固定されているアプリ、表示順序など、スタートメニューのカスタマイズ設定
- タスクバー: 固定されているツールバー、表示するアイコンなど、タスクバーのカスタマイズ設定
- アプリケーションの設定: 各アプリケーションの個別の設定(ブラウザのブックマーク、メールクライアントのアカウント設定など)
- ドキュメント: ユーザーが作成した文書、画像、音楽、動画などのデータ
- レジストリ設定: ユーザー固有のレジストリ情報(ソフトウェアのインストール情報、フォント設定など)