『ドラゴンボール』の人造人間編では、未来トランクスが生きていた世界は悲惨な未来を迎えています。
孫悟空は人造人間と戦うことすらなく心臓病によって死亡。
その後、人造人間17号と18号が現れ、ベジータやピッコロをはじめとした戦士たちも次々と命を落としてしまいました。
最後まで戦い続けた孫悟飯も人造人間に敗れ、残されたトランクスが過去へ向かうことになります。
では、もしこの未来で悟空が心臓病にならず、そのまま生きていたらどうなっていたのでしょうか。
「悟空がいれば人造人間なんて簡単に倒せたのでは?」
と思ってしまいますが、実はそれほど単純ではないと思います。
なぜなら悟空が心臓病にならなかったとしても、未来トランクスが過去へやって来なければ、悟空たちは人造人間が出現することを知らないからです。
当然、本編で行われた「3年後の人造人間襲来に備えた修行」もありません。
そこで今回は、未来トランクスの世界をベースとして、「悟空が心臓病にならなかった」という一点だけを変更した場合、その後の未来がどうなっていたのかを考察してみます。
今回の考察における前提条件
最初に今回のIF世界における前提条件を整理しておきます。
未来トランクスが過去へやって来なければ、メカフリーザとコルド大王を倒してくれる人物がいません。
しかし、本来悟空は瞬間移動によって地球へ戻ることができました。
そのため、この世界では悟空自身が地球へ戻り、メカフリーザとコルド大王を撃破したものとします。
その後については以下の条件とします。
- 未来トランクスは過去へやって来ない
- メカフリーザとコルド大王は悟空が倒す
- 悟空は心臓病を発症しない
- 悟空たちは人造人間の存在を知らない
- そのため人造人間対策としての3年間の修行は行われない
- メカフリーザ襲来から3年後に人造人間が出現する
- 未来世界をベースとするため、敵となる人造人間は17号と18号
- 19号・20号は登場しない
つまり、悟空たちは「3年後に強敵が現れる」ということをまったく知らないまま、平和な3年間を過ごすことになります。
この3年間をそれぞれのキャラクターがどのように過ごすのかによって、人造人間襲来時の戦力も大きく変わってくるでしょう。
孫悟空は修行を続けるものの、本編ほど強くならない?
まずは悟空です。
心臓病にならないため、当然この世界では生存しています。
悟空の性格を考えると、地球が平和だからといって修行を完全にやめてしまうとは考えにくいでしょう。
強くなることそのものが好きな人物なので、人造人間の存在を知らなくても修行は続けるはずです。
ただし、本編との大きな違いがあります。
本編の悟空たちは未来トランクスから、
「3年後に恐ろしい人造人間が現れる」
と警告されています。
つまり、3年間という明確な期限がありました。
今回の世界にはそれがありません。
地球は平和ですし、フリーザも倒しています。
そのため修行そのものは続けるものの、本編ほど追い込んだ修行をしているかというと疑問が残ります。
さらにチチからすれば、世界を救った後まで悟空が一日中修行している必要はありません。
仕事や農作業などを求められ、悟空自身もある程度は家族との生活に時間を使っていた可能性があります。
一方で、ベジータというライバルは健在です。
ベジータが強くなれば悟空も刺激を受けるでしょう。
以上から、人造人間襲来時点でも悟空は超サイヤ人として成長しているものの、本編の同時期と比較すると若干弱い程度だったのではないかと考えます。
ベジータはむしろ本編以上に修行する可能性がある
悟空とは対照的に、ベジータについては本編と同程度、場合によってはそれ以上に修行していたのではないでしょうか。
理由は単純です。
悟空が生きているからです。
この時期のベジータにとって最大の目標の一つは「カカロットを超えること」でした。
ナメック星では下級戦士だと思っていた悟空に先を越され、さらに自分が到達できなかった超サイヤ人に悟空が覚醒しています。
そして今回の世界では、メカフリーザとコルド大王まで悟空が倒します。
ベジータにとって、これ以上ないほど腹立たしい状況でしょう。
人造人間が現れることを知らなくても関係ありません。
目の前に「超えたい相手」がいる以上、ベジータは猛烈な修行を続けるはずです。
そのため今回の考察では、ベジータも3年間の間に超サイヤ人へ覚醒すると考えます。
むしろ「3年後の敵を倒す」という目的ではなく、純粋に「カカロットを超える」という執念だけで修行することになります。
その結果、人造人間襲来時点では本編と同程度の強さに到達していたとしても不思議ではありません。
悟空とベジータ、どちらが強くなっているのか?
非常に判断が難しいのが、3年後の悟空とベジータの力関係です。
悟空も修行を続けています。
しかし、地球が平和である以上、本編ほど切迫した状況ではありません。
一方のベジータには、
「カカロットを超えたい」
という明確な目標があります。
3年間ほぼひたすら修行していたと考えれば、悟空との差を縮めるだけでなく、一時的に追い越している可能性もあります。
そこで今回の考察では、
「ベジータが悟空をわずかに上回っている」
と仮定します。
ただし、圧倒的な差ではありません。
悟空とベジータが直接戦えば、どちらが勝ってもおかしくない程度の僅差だったと考えます。
悟飯は勉強中心の生活へ戻る
悟飯については、本編とはかなり違った3年間になるでしょう。
そもそも悟飯は悟空やベジータのように、強くなるために戦い続けたい人物ではありません。
戦う必要がなければ勉強したい少年です。
そして何よりチチがいます。
人造人間が襲来することを知らなければ、悟飯を3年間修行させる理由がありません。
そのため悟飯は勉強中心の生活へ戻ると考えるのが自然でしょう。
もちろん悟空やピッコロとの関係がなくなるわけではありません。
勉強の合間に気晴らしとして体を動かしたり、悟空やピッコロと軽く組み手をしたりすることはあったかもしれません。
悟飯自身にも非常に高い潜在能力があります。
そのためまったく成長していないわけではないでしょう。
しかし、本編のような3年間の本格的な修行をしていない以上、人造人間襲来時点では主戦力と呼べるほどには成長していないと考えます。
戦闘力としては、クリリンを上回るか、それより少し強い程度ではないでしょうか。
ピッコロは修行を続けるが伸び幅は小さい
ピッコロについては、平和になったからといって修行をやめるとは考えられません。
一人でも黙々と修行を続けているでしょう。
そのためナメック星編終了時よりは確実に強くなっているはずです。
しかし、本編では悟空・悟飯とともに人造人間襲来へ向けて3年間修行しています。
今回の世界ではその機会がありません。
悟飯との本格的な修行もありませんし、3年後に強敵が現れるという危機感もありません。
したがって、ピッコロについても成長はしているものの、本編の人造人間編開始時よりは弱いと考えます。
クリリンは平和な生活を優先する
クリリンも悟空たちとは違い、平和な時代に一日中修行しているタイプではありません。
強敵が現れることを知らなければ、修行量はそれほど多くならないでしょう。
もちろん完全に武術から離れるわけではないでしょうが、本格的に自分を追い込むほどではないと思います。
そのため3年間で多少は成長していても、大幅な戦力アップはしていないと考えます。
ヤムチャも本格的な修行はしない
ヤムチャについてもクリリンと似ています。
人造人間という脅威を知らなければ、平和な日常生活を優先するでしょう。
野球など一般社会での活動もあります。
そのため本編ほど戦闘を意識した修行は行わず、人造人間襲来時点でも戦力として大幅な成長はしていないと考えます。
天津飯とチャオズは変わらず修行を続ける
一方、天津飯とチャオズについては、この世界でもほとんど行動が変わらないでしょう。
特に天津飯は平和だから修行をやめるような人物ではありません。
悟空やベジータとは違った意味で、武道そのものを追求しています。
そのため人造人間の存在を知らなくても、3年間ひたすら修行している可能性が高いでしょう。
チャオズも天津飯と一緒に修行していると考えます。
ただし、ここには残酷な問題があります。
いくら修行してもサイヤ人たちとの戦力差が大きすぎます。
天津飯は優秀な武道家ですが、この時点では超サイヤ人クラスの戦闘についていくことは難しいでしょう。
チャオズについても同様です。
したがって二人とも修行量そのものは多いものの、人造人間17号・18号との戦いでは主戦力にはならないと考えます。
3年後の戦力をまとめるとどうなる?
以上をまとめると、人造人間17号・18号が出現する直前の戦力は次のようになっていると予想します。
| キャラクター | 3年間の過ごし方 | 人造人間襲来時の強さ |
|---|---|---|
| ベジータ | 悟空を超えるため猛烈に修行 | 超サイヤ人。悟空をわずかに上回る可能性 |
| 悟空 | 修行を続けながら平和に生活 | 超サイヤ人。本編よりやや弱い可能性 |
| ピッコロ | 一人で修行を継続 | 本編より弱いが依然として主戦力 |
| 悟飯 | 勉強中心。時々悟空やピッコロと修行 | クリリン以上〜少し上程度 |
| 天津飯 | 修行を継続 | 人間組では強いが人造人間には力不足 |
| クリリン | 平和な生活が中心 | 大幅な成長はなし |
| ヤムチャ | 日常生活が中心 | 大幅な成長はなし |
| チャオズ | 天津飯と修行 | 人造人間戦では戦力不足 |
こうして見ると、意外にも悟空が生きているにもかかわらず、決して楽観できる戦力ではありません。
主戦力となるのは、
悟空・ベジータ・ピッコロの3人。
悟飯はまだ十分に育っておらず、クリリンや天津飯たち地球人組も17号・18号と正面から戦えるほどではありません。
そして何より恐ろしいのは、この時点で悟空たちは17号と18号について何も知らないということです。
能力も知りません。
永久式でスタミナが尽きないことも知りません。
どれほど強いのかすら分かりません。
そんな状態である日突然、17号と18号が姿を現します。
悟空が心臓病にならなかった未来は、本当に救われるのでしょうか。
次は実際に17号・18号が出現した場合、悟空たちとの戦いがどのような展開になるのかを考えていきます。
人造人間17号・18号との戦い
人造人間17号・18号が突如出現
メカフリーザ襲来から3年後。
未来世界と同じく、人造人間17号・18号が街で破壊活動を開始します。
悟空たちは人造人間の存在そのものを知らないため、当然ながら敵の気を探ることもできません。
そこで最初に異変へ気付いたのはピッコロでした。
神様から街で大規模な破壊が起きていることを知らされたピッコロは、単独で現場へ急行します。
ピッコロが単独で迎え撃つも敗北
現場で待っていたのは人造人間17号と18号。
ピッコロは一人で応戦します。
戦いの序盤は互角に近い展開となりますが、時間が経つにつれて状況は一変します。
17号・18号はどれだけ戦っても疲れる様子がありません。
一方、ピッコロだけが体力と気を消耗していきます。
「気を持たない」という特徴に加え、「永久エネルギー」という能力。
ピッコロは人造人間の異常さに気付いた時には、すでに瀕死の重傷を負っていました。
悟空が救援に駆け付ける
ピッコロの気が急激に弱まったことを察知した悟空は、すぐに現場へ向かいます。
到着した悟空は満身創痍のピッコロを見ると、状況を理解します。
「クリリン! ピッコロを連れて逃げろ!」
悟飯は怒りのあまり飛び出そうとしますが、悟空は戦わせません。
ピッコロの救出を仲間へ任せ、自ら17号・18号の前へ立ちはだかります。
悟空もスタミナ差で追い詰められる
超サイヤ人となった悟空は17号・18号と互角以上の戦いを繰り広げます。
しかし、時間が経つにつれて悟空だけが疲弊していきます。
どれだけ攻撃を続けても17号・18号は疲れる様子を見せません。
悟空は戦いながら、
「こいつら……全然疲れてねぇ……。」
と、人造人間最大の脅威を悟ります。
そして徐々に防戦一方となり、ついには追い詰められてしまいます。
ベジータが乱入
悟空が限界まで追い込まれたその時、戦いの気配を感じたベジータが姿を現します。
「勘違いするな。」
「カカロットを倒すのは、この俺だ。」
仲間を助けるためではありません。
あくまで自分のライバルを他人に倒されるわけにはいかない。
それがベジータの誇りでした。
こうして超サイヤ人二人による共闘が始まります。
初戦は敗北
ベジータの参戦によって一時は戦況を立て直します。
しかし、悟空はすでに長時間戦っており、大きく消耗しています。
ベジータも徐々にスタミナを奪われ、永久エネルギーを持つ17号・18号との差は再び開いていきます。
二人は満身創痍となり、とどめを刺される寸前まで追い込まれました。
悟空は最後の力を振り絞り太陽拳を放ち、一瞬だけ17号・18号の視界を奪います。
その隙にベジータの腕を掴み、
「瞬間移動!!」
二人は天界へ撤退することに成功しました。
未来世界とは違い誰一人命を落とさずに済みましたが、人造人間との初戦は完全な敗北だったと言えるでしょう。
天界での作戦会議
敗北したZ戦士たちは天界へ避難し、今後について話し合います。
まず議題となったのは敗因でした。
ピッコロは、
- 人造人間は気を持たないこと
- 永久エネルギーによって長期戦では圧倒的に不利であること
を説明します。
悟空も、
「最初は勝てると思った。でも戦えば戦うほど俺たちだけが疲れていった。」
と振り返ります。
続いて対抗策について議論されます。
候補となったのは、
- 精神と時の部屋での修行
- 神様とピッコロの融合
でした。
しかし、この時点では神様との融合は行われないと考えます。
確かに融合すれば戦力は大幅に向上します。
しかし同時にドラゴンボールも失われます。
悟空・ベジータ・ピッコロという主力が全員健在であり、精神と時の部屋という切り札も残されている以上、まだ最後の手段を使う段階ではありません。
ベジータ、一人で精神と時の部屋へ
神様から精神と時の部屋の存在を聞いたベジータは興味を示します。
しかし共闘する気はありません。
「馴れ合うつもりはない。」
「奴らを倒すのは、この俺だ。」
そう言い残すと、一人で精神と時の部屋へ入ります。
目指すのは、悟空を超えること。
そして人造人間17号・18号を倒すこと。
その執念だけを胸に、一年間の修行へ入るのでした。
ベジータ、人造人間へ再戦を挑む
精神と時の部屋で一年間修行を積んだベジータは、以前とは比べ物にならない力を手に入れていました。
到達したのは、超サイヤ人をさらに超えた姿。
いわゆる超サイヤ人第2形態(スーパーべジータ)です。
修行を終えたベジータは悟空たちと作戦を立てることもなく、一人で17号・18号を探し始めます。
「次に奴らを倒すのは、この俺だ。」
それだけを考えていました。
スーパーべジータが17号・18号を圧倒
17号・18号は再び街で破壊活動を続けていました。
そこへ現れたベジータ。
17号も18号も、前回と同じ相手だと思い余裕を見せます。
しかし戦いが始まった瞬間、その表情は一変します。
ベジータのスピードもパワーも初戦とは比較にならないほど向上していたのです。
17号の攻撃を片手で受け止め、そのまま吹き飛ばす。
18号が援護しても、一撃で弾き飛ばします。
人造人間最大の武器は永久エネルギーによる無限のスタミナです。
しかし、疲れないことと勝てることは別問題です。
ダメージそのものを無効化できるわけではありません。
スーパーべジータの圧倒的な火力の前では、その無限のスタミナも意味を成しませんでした。
セルが存在しないため見逃す理由もない
原作ではセルが完全体になることを望んだベジータですが、この世界にはセルはいません。
17号・18号にはこれ以上強くなる方法もありません。
つまり、見逃す理由が存在しないのです。
ベジータは慢心することなく17号・18号へとどめを刺します。
未来世界を滅亡寸前まで追い込んだ二人の人造人間は、ついにベジータによって倒されました。
結論:悟空が生きていた未来は救われた可能性が高い
私は、悟空が心臓病にならなかった未来は救われた可能性が高いと考えます。
もちろん、人造人間との初戦は敗北します。
人造人間の情報を持たず、3年間の対策修行もしていない以上、それは避けられないでしょう。
しかし、未来世界との決定的な違いがあります。
それは誰も死ななかったことです。
悟空・ベジータ・ピッコロという主力が生き残ったことで敗因を分析し、精神と時の部屋という対抗策へたどり着くことができます。
そして精神と時の部屋で限界を突破したベジータが、人造人間17号・18号を撃破する。
未来トランクスの世界ではトランクス自身が未来を救いました。
しかし、このIF世界では、未来を救ったのはベジータという結末になったのではないでしょうか。
